不妊治療クリニックでの助産師・看護師さんの仕事とは?

不妊治療専門クリニックの患者さん

日本では、不妊治療を受ける夫婦の数が年々増加傾向にあります。厚生労働省発行の「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」によると、令和3年に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の数は「約4.4組に1組」と報告されており、この数字は結婚している夫婦のおよそ2割強に上ります。
この数字からもわかるように、近年、不妊治療はとても身近な存在になり医療業界でもますます注目が集まっている分野です。

この記事では、そんな不妊治療の現場を支える助産師・看護師さんの不妊治療クリニックでの役割や具体的な仕事内容について詳しく解説します
少子化が進む今の日本においては、とても重要なこの不妊治療分野に関心のある助産師・看護師さんは必見です!

不妊治療クリニックでの助産師・看護師さんの役割とその重要性

ハートを作る助産師

本来、助産師さんと言えば産科や助産院で、妊婦さんの妊娠期から出産・産褥期や新生児のケアなど、母子のサポートをメインで行う立場にありますが、実は不妊治療クリニックにおいても、助産師さんの活躍の場は存在します。

赤ちゃんと母親

子供を持ちたいという強い想いを胸に、これから親になろうとしている方々の人生に寄り添い、心身の健康を支えながら妊娠、出産へと繋ぐとても重要な役割を担う上で、助産師さんの妊娠、母体に関する豊富な知識や経験は、現場でとても強い武器となります。
政府が少子化社会への対策として、不妊治療による経済的負担の軽減を図るため、令和3年度から不妊治療に対する助成の対象範囲を大幅に拡げ、令和4年度からは人工受精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」についても新たに保険適用されたこともあり、今後、この分野の注目の高まりや患者さんの増加は容易に想像できる状況となっています。

患者さんのカウンセリングと精神的サポートが主なお仕事

不妊治療クリニックでの助産師・看護師さんの役割は、患者さんのカウンセリングとメンタル面のサポートです。
治療の進行状況や次のステップについて丁寧に説明し、患者さんが安心して治療を受けられるよう心身共にサポートをします。
そのため単発の来院ではなく、長いお付き合いになる患者さんとの信頼関係を築くことがとても重要になってきます。治療に対する疑問や不安を気軽に話せる環境作り、適切なアドバイス・情報提供によって、患者さんは自分の治療について理解を深め、前向きに取り組むことができるでしょう。

治療の補助や専門的な業務を担う

不妊治療専門クリニックでの業務内容は、以下のような治療の補助や専門的な業務も担当します。

・人工授精や体外受精の準備と補助

人工授精や体外受精の際に必要な器具や薬剤の準備、手術室のセッティング、手術の補助など、医師と協力して治療の成功をサポートします。

・患者さんの体調管理と薬の投与

患者さんの体調管理を行い、必要に応じてホルモン治療や排卵誘発剤の投与、注射の実施などを行います。

・検査結果の確認と説明

医師と共に、検査結果の確認や今の治療状況などの説明、次の治療ステップに進むためのサポートを行います。

治療に関する情報提供も重要な役割

不妊治療クリニックでは、患者さんに対する情報提供も助産師・看護師さんの重要な役割の一つです。不妊治療に関する最新の知識や治療の段階、治療法の違いについて患者さんに丁寧に説明したり、生活習慣の改善に関するアドバイスをしたり、患者さんが治療の過程を理解しやすくすることは、治療に対する理解を深め、自身の健康管理に積極的に取り組むための重要なサポートとなります。

日本助産師会のHP内「不妊の悩みをもつ女性へのケアにおける役割・責務」にも、「助産師は、希望していても妊娠しない悩みをもつ女性とその家族に対して、コミュニケーション、カウンセリング、相談の技法を用いて、情報収集し、状況を把握する。その上で、生殖機能の状態や性生活を含めた妊娠を成立させる要因のアセスメントを行い、対象者の状況とニーズに応じた支援を行う」と記載があるように、不妊治療クリニックにおいて、助産師・看護師さんは患者さんの心身の健康を多角的に支え、治療の成功に貢献することが最大の責務と言えるでしょう。
あなたも、生命の誕生を支えるために不妊治療クリニックで看護力を発揮してみませんか。

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