昨今、耳にすることが多くなった「産後ケア施設」ですが一体どのような役割を果たしているのかご存じでしょうか?
時の流れと共に変化してきた現代社会の子育て環境、そんな時代のニーズに合わせ産後ケア施設は年々各地で増加しています。
この記事では「産後ケア施設ってどんなところ?」「産後ケア施設での助産師さんや看護師さんの役割って?」など、産後ケア施設について解説していきますので、産後ケア施設での仕事に興味がある看護師さんや助産師さんは必見です。
今、高まる産後ケア施設のニーズとその背景
母子が安全に過ごせる場所として、産後女性の心身回復を目指し、健全に育児に臨めるよう多角的にサポートするのが「産後ケア施設」の役割で、地域によっては「産後ケアセンター」「産後ケアホテル」などと呼ばれる場合もあります。これらの産後ケア事業は、政府の施策を基に地域自治体が運営の主体です。政府はこれまで、産後ケア施設の利用対象者を「心身の不調または育児不安等がある者」「特に支援が必要と認められる者」としてきましたが、2023年6月、支援を望む産後の女性全員が利用可能で利用料金補助の対象とすることを各自治体に通知し、産後ケア事業のさらなる充実を図っているところです。
核家族化が進んだ日本社会において、産後に頼れる親や親族が近くにいなかったり、出産年齢の高齢化でその親達も高齢となり十分なサポートを得にくい、利便性の低い地方の実家へは里帰り出産できないなど様々な事情で、周囲のサポートなしに休む間もなく育児を続ける女性が増えてきています。
その上、産後の女性はホルモンバランスの乱れや不慣れな育児により、睡眠不足やそれに伴う心身の不調に陥りやすいものです。
このような育児環境から産後うつの発症が増加していると考えられているため、国を挙げて産後ケア施設の充足が推し進められているのです。
産後ケア施設ってこんなところ
具体的には、産後女性の身体的な回復を促すための支援、母親の話を傾聴し育児や慣れない環境に対する心理的支援、新生児・乳児の様子や月齢に合わせた育児に関するアドバイス、 授乳や栄養に関しての指導、母乳育児をする母親の乳房のケア、地域資源の案内など、様々な面から子育てをサポートし、母子が心身共に健やかな状態で暮らせることを目指す場所です。
産後ケア施設には、施設に通い日帰りで支援するデイケア型、泊まりで夜中のサービスなども行う宿泊型、自宅で支援を行う訪問型などいくつか形態があり、産後の女性が望みに沿ったサポートを提供します。
産後ケア施設で働く助産師さん、看護師さんの仕事内容は?
それでは、産後ケア施設で働く看護師さんや助産師さんの実際の仕事内容を見てみましょう。
これらの支援を看護師さんや助産師さん中心に行い、時には臨床心理士や栄養士、保育士なども加わり、産後女性や乳幼児の状況に応じて包括的に母子の支援にあたります。
今後も需要の高まりが予想される産後ケア施設ですが、夜勤の有無やその他の看護、ケア業務等、施設の形態によって仕事内容はさまざまです。
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お仕事内容やご希望の働き方についてどうぞお気軽にお問い合わせください。
…母親が体を休めている間に、新生児や乳児の健康状態のチェックや授乳・おむつ替えなどのケア全般を担います。
・母親の心理的ケア
…育児や産後の生活への不安を解消するための心のケアで産後うつ防止への対策をします。
・栄養や授乳、沐浴指導
…母乳育児に関する適切な授乳指導や乳腺炎予防などの乳房ケア、また乳児の沐浴指導なども行います。