施設で働きたい看護師さんがスキルアップするための資格制度にはどんなものがある?

老人に寄り添う看護師

医療技術の進歩や高齢化が進む現代社会では、福祉・介護分野に携わる職種の需要は高まるばかりです。
看護師さんが福祉・介護施設で働く場合、看護師資格に加えて持っていると役立つ資格がいくつかあります。
それらの資格について仕事内容と共にいくつかご紹介していきます。

①社会福祉士

身体や精神・環境上の理由で日常生活に支援が必要な人からの福祉に関する相談に応じ、適切な助言や援助をします。
また、福祉や医療のサービス提供者への連絡や公的機関への連携を行い、相談者のQOL向上を目指します。
国家資格であるこの資格の登録者数は増加の一途を辿っており、このことからも社会からの高い需要と資格の優位性がうかがえます。

②介護福祉士

身体や精神上の障害により日常生活に支援が必要な人へ、適切な介護の提供や日常生活における自立を見据えた支援をします。
また、サービス提供側の人材・サービスの質を向上するためのマネジメントも担います。
近年では、労働環境や待遇の改善が進んでおり、国家資格でもあることから資格取得を目指す人の増加が予想されます。

③精神保健福祉士

精神的な障害を持つ人からの社会復帰に関する相談に応じ、日常生活に適応するための訓練や援助、公的支援の案内やその手続きなど生活を豊かにするために支援する専門職です。
この資格も国家資格でストレス社会とよばれる現代においては注目度の高い資格と言えます。

④福祉住環境コーディネーター

高齢者や障害者が安心して暮らせる環境整備の提案をする資格です。
医療や福祉だけでなく建築についての知識を身に付け各分野の専門職と連携を取りながら、多くの介護サービスや施設の利用者が求める生活に直結した支援をする意義のある職種です。
難易度によって1~3級に分かれていて、他業界でも活かせる汎用性ある資格でしょう。

⑤認知ケア専門士

認知症の人に対して生活上の支援を行います。
また、ご家族や介護職への適切なケアの提案や指導も仕事の一つです。
「認知症ケア上級専門士」と「認知症ケア専門士」があり、5年毎に更新が必要な民間資格で、上級の資格保有者は施設でのリーダー職や地域のアドバイザーとして従事することもできます。

⑥認知症介助士

様々な症状のある認知症について正しく理解し、適切に寄り添って認知症の方を介助します。
認知症ケアの知識を短期間で習得できることから比較的取得しやすい資格で、施設だけでなく高齢化社会のあらゆる場面で活かせる知識が身に付きます

⑦シニアピアカウンセラー

生活する上で心配事や不安が多い高齢者に対して、丁寧な傾聴やコミュニケーションを通じて心理的な悩みの軽減を図る仕事です。
また、孤独に陥りがちな高齢者へ安心感やリフレッシュする時間を提供し、適宜、他職種への連携や支援も行います。
今の高齢化社会では持っていて損のない資格でしょう。

看護師さんが必要とされる施設ってどんなところがある?

老人の脈をとる看護師

医療機関だけではなく、福祉や介護の現場でも看護師さんが活躍できる場は数多くあります。
例えば、介護保険施設には老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(特養)、介護療養型医療施設があり、入居者の要介護度によって入居先が異なりそれぞれの施設内での看護師さんの役割や仕事内容が違います

老健のような自宅復帰を目指す入居者がいる施設では、健康管理や服薬管理、リハビリなどが主な仕事ですが、入居者の介護度が高く自宅での生活が困難で生涯をそこで過ごす特養の施設では、看護の提供も長期に渡り、看取りなどの人生の最後に寄り添うシーンもあります。
他にも、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)といった施設でも看護師さんが担える仕事はいろいろと存在するので、自身の持つ看護観やライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

※参考
(厚生労働省) 『社会福祉士・介護福祉士等
(認知症ケア専門士公式サイト) 『認知症ケア専門士公式サイト