看護師さんも意外と知らない?医療の略語

思い出そうとする看護師

日々、医療に携わる看護師さんは、看護師さん同士はもちろん医師や薬剤師との会話でも多くの略語に出会うでしょう。
転職したり、配属が変わったりしてこれまでと違う診療科で働く看護師さんなら、新しい診療科の言葉に触れておくことが新しい職場でのスムーズなコミュニケーションに役立ちます。
ここでは、代表的な医療の略語を予習・おさらいしておきましょう。

いろいろな視点で略語と元の意味を知ろう

笑顔の看護師

普段使っていても、元となる言葉や詳しい意味までは分からない略語もあるのではないでしょうか。
略語の元を知っていると言葉の理解も深まり、ちょっとした豆知識としてコミュニケーションのきっかけになることもあります。
これから、診療科や処置、病名などに関する略語を見ていきましょう。

診療科の略語

診療科の略語はドイツ語の診療科名が元となっているものが多いようです。
例えば下記の例では、ドイツ語のUrologie(ウロロジー・泌尿器科)が「ウロ」という略語の元になっています。
「カルテ」もドイツ語「karte(カード・紙片の意)」が由来です。

略語の例
略語 診療科 由来
アウゲ 眼科 ドイツ語のAuge(目)
ウロ 泌尿器科 英語のUrology・ドイツ語のUrologie
オト 耳鼻科 英語のoto-rhinolaryngology
オルト 整形外科 英語のOrthopedics・ドイツ語のOrthopädie
ギネ 産婦人科 英語のGynecology・ドイツ語のGynäkologie
プシコ 精神科 英語のPsychiatry・ドイツ語のPscychology
デルマ 皮膚科 ドイツ語のDermatorogie

職種の略語

看護師さんは、ほかのコメディカルの人たちと連携してお仕事をすることも多いでしょう。
どの職種のことを言っているのかすぐに分かる共通認識のために略語を知っておくと、シーンによってお仕事のスピードアップにつながることもあるでしょう。

略語の例
略語 元の言葉 意味
EMT Emergency Medical Technician 救急救命士
PHN Public Health Nurse 保健師
PT Physical Therapist 理学療法士
OT Occupational Therapist 作業療法士
MSW Medical Social Worker 医療ソーシャルワーカー

処置などの略語

処置に関する略語では、英語の頭文字を取った略語が多いようです。
久しぶりに職場復帰する看護師さんは、日常的に使う基礎的な用語もおさらいしておきましょう。

略語の例
略語 元の言葉 意味
VS Vital Signs バイタルサイン、またはバイタルといわれる。体温(BT/KT)・血圧(BP)・脈拍(PR)、呼吸(RR)、意識レベル(LOC)などの生命徴候。
CV Central Vein 中心静脈。CVカテーテル(中心静脈カテーテル)を指すこともある。
Fr(F) French カテーテルなどの管の太さを表す単位。3Fr=1mm。「フレ」と略すことが多い。(例)「5Fr」…「ごふれ」と発音
BS Blood sugar 血糖値
SC Subcutaneous injection 皮下注射
IV Intravenous Injection 静脈注射

病名や状態の略語

働く診療科によって、よく聞く疾患名とその略語が違います。
これから新しい職場で働く看護師さんは、お仕事が始まる前に予習しておくと戸惑う場面が減るでしょう。
職場が変わらない看護師さんも、他の診療科で使われる略語を知っておくと他科との連携が取りやすくなったり、併存疾患がある患者さんの理解につながったりと、コミュニケーションスキルの向上にもつながるのではないでしょうか。

略語の例
分類 略語 病名
呼吸器系 COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease) 慢性閉塞性肺疾患
TB(Tuberculosis) 結核
循環器系 Af(Atrial fibrillation) 心房細動
HT(Hypertension) 高血圧
MI(Myocardial infarction) 心筋梗塞
消化器系 AP・アッペ(Appendicitis) 虫垂炎
LC(Liver Cirrhosis) 肝硬変
SAS(Sleep Apnea Syndrome) 睡眠時無呼吸症候群
泌尿器系 CKD(Chronic Kidney Disease) 慢性腎臓病
BPH(Benign Prostatic Hyperplasia) 前立腺肥大症

いかがだったでしょうか。意外と知らない略語があった方も多いのではないでしょうか。
ここに挙げたのはほんの一部で、略語意外でも触れたことがない医療用語がたくさんあるでしょう。
忙しい看護師さんは学ぶ時間を取るのが難しいかもしれませんが、患者さんの気になった症状や、医師との会話で分からない言葉があったらメモしておいて、あとからネットなどで調べておくだけでもこれからお仕事をするときのヒントが得られるかもしれません

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