産後ケアエキスパート助産師とは?

赤ちゃんの足を包み込む手

助産師さんとしてもっとスキルアップしたい方におすすめの資格に「産後ケアエキスパート助産師」があります。資格を取得することで自分の知識やスキルを証明することができ、自信をもって母子にケアを提供することができます。
今回は産後ケアエキスパート助産師について解説します。

産後ケアとは?

母と赤ちゃん

産後ケアとは、出産後の女性と赤ちゃんに対して産後の身体の回復や心身のリフレッシュを図り、安心して育児ができるように支援するものです。昔の日本では両親や祖父母とともに住むことが多く、赤ちゃんや子どものお世話は家族全員で行い、出産を終えたばかりの女性は体を休めることができていました。近年は核家族化で親子のみが一緒に暮らしており、夫婦の両親は遠くに住んでいてサポートが得られないことも少なくありません。
ホルモンバランスの変化や慣れない育児で心身ともに大きな負担がかかる中、ひとり、あるいは夫婦だけで頑張ってしまうと疲れがたまってしまい、子育ての悩みや不安を相談することもできず、追い詰められてしまうこともあります。育児は家庭だけで頑張るのではなく地域全体でサポートするために、令和元年に母子保健法が一部改正され、産後1年以内の母子に対する産後ケア事業が法制化され、全国で広がっています。その「産後ケア」のエキスパート助産師とはどういう資格なのか見ていきましょう。

産後ケアエキスパート助産師って?

産後ケアエキスパート助産師とは、産前産後の母子支援に特化した専門知識とスキルを持つ助産師のことです。助産師で学んできた技術に加えて、特に産後うつや育児不安のケア、母乳育児支援、産後の身体的・精神的なケアなどを専門的に行う役割を担っています。もともとは「ハイリスク妊産婦サポートリーダー」と呼ばれており、未受診や飛び込み出産などのハイリスクな妊産婦さんを支援する目的で平成25年に作られました。その後、「産後ケアエキスパート助産師」という名称に変わり、母子とその家族の安心・安全につながるサポートを行っています。

取得方法と費用は?

資格を取得するには、一般社団法人大阪府助産師会が主催する「産後ケアエキスパート助産師講習会」の受講が必要です。月1回、3講義を8カ月にわたって計24講義受講することで資格の認定を受けることができます。助産師の資格が必要ですが経験年数は不問で、オンライン研修でオンデマンド視聴もできるため、遠方でも、仕事をしていても学ぶことができます。費用は日本助産師会会員または大阪府助産師会会員の方は44,000円、非会員の方は77,000円です。

生かせる職場は?

産後ケアエキスパート助産師の資格を生かして活躍できる職場には、病院や助産院だけではなく、行政や民間が運営する産後ケア施設もあります。日帰りタイプや宿泊タイプ、訪問タイプなどさまざまな産後ケア施設があり、体調が悪い、授乳がうまくいかないなど困っている産後の女性の授乳支援や育児相談、産後うつのスクリーニングなどを実施します。これらの施設は、産後ケア事業の拡大に伴い全国的に増加してきています。また、資格を生かして産後の母親を対象とした在宅訪問や、地域での子育て支援活動を行ったり、セミナーを開催したり、助産院を開業、運営することもできます。

仕事をしていて産後ケアにもっと従事したいと感じている助産師さんも多いでしょう。現在、こども家庭庁や日本助産師会などが産後ケア事業を推進しており、今後も拡充される可能性が高いと思われます。助産師としてキャリアアップしたい方は、最新の情報を確認しながら、新たな資格取得に挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。

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