子育て中も働ける?潜在助産師さんのお仕事復帰

子供を抱えて悩む女性

多くの施設が助産師さんを待っている

新しい命の誕生を支える助産師さんのお仕事。
一生懸命学んで資格を取り、やりがいを感じて仕事をしていても、さまざまな事情で職場を離れなければならない場合もあるでしょう。
中でも、女性が主に育児を担うことがまだ多い現代では、子育てのために仕事を離れてしまった助産師さんも多いのではないでしょうか。

一方で、周産期医療の現場では助産師不足が続き、多くの病院やクリニック、助産所などで、資格を持っていてもお仕事をしていない潜在助産師さんのお仕事復帰が求められています

助産師さんの就業状況は

子供たちを背景に悩む女性

2008年に厚生労働省から公表された「安心と希望の医療確保ビジョン」には、次のような記載があります。
「助産師については、医師との連携の下で正常産を自ら扱うよう、院内助産所・助産師外来の普及等を図るとともに、専門性の発揮と効率的な医療の提供の観点から、チーム医療による協働を進める。またその際、助産師業務に従事する助産師の数を増やすとともに、資質向上策の充実も図る」
助産師さんの数を増やすことは国全体としての課題であると言っても過言ではありません。

近年の助産師さんの数を見てみると、2016年で35,774人、2018年で36,911人、2020年で37,940人と徐々に増えてきてはいます。でも、2020年の看護師さんの数は173.4万人。
資格が違うとはいえ、比べるとかなり少ないことがわかります。

そして2015年の統計によると助産師さんの就業場所の約6割を病院が占め、診療所、助産所は合わせて約3割。都道府県別で見ると助産師さんは東京・大阪などの大都市に多く、施設や地域によって就業者数に偏りがあります。
助産師さんが少ない施設、地域ではより助産師さんへのラブコールが大きく、その分、助産師さんが働く環境や制度を整えて再就職を受け入れようとする施設も増えているのです

ブランクがあっても大丈夫?

昨今では高齢出産が増えたことでハイリスク妊婦も増えており、助産師さんの数はもちろん、業務の質も求められています。
周産期医療体制は充実してきているものの、ハイリスク妊婦への対応に重きが置かれ、正常分娩への整備は万全とは言えない状況です。
このような状況の中、助産師さんの数はもちろん、経験を積んだ助産師さんがさまざまな分娩で活躍することが期待されています。

とはいえ、ブランクがあると「本当に復帰して大丈夫かな?」と心配になることもあるのではないでしょうか
そんなときには、再就職したい看護師さんや助産師さんのために、最新の知識や技術を学べる研修を受けるのがおすすめです。
このような復職研修は都道府県などの自治体のほか、病院で行っている場合もあります。お仕事を探すとき、このような研修がある病院を探すのもいいでしょう。

職場の保育や託児も活用しよう!

これほど必要とされている助産師さん。出産や育児で一時的に仕事を離れた方も、改めてお仕事を始めるモチベーションも上がるのではないでしょうか。

一方で、出産・育児を手助けする助産師さん自身が育児に困ってしまうのでは矛盾を感じるかもしれません。
でもそんな方が安心して仕事復帰できるように、育児休業や育児時間を設定している施設もありますし、シングルマザー助産師さんに手当を用意している病院も。
働きたいママさんから「保育園に入りにくい」という声も聞かれますが、託児所や学童を付設した病院やクリニックも意外にたくさんあるので、助産師さんや看護師さんは仕事場のそばでお子さんを預けて働くこともできます

カインドメディカルネットでは、「助産師の専門求人【助産師・産科ナース】」ページで助産師さんの求人情報を多数掲載しています。
また、求人検索画面にて「求人検索を変更」→「求人の特徴」欄で「託児所・学童有」をチェック、または「施設詳細」「託児所あり」にチェックを入れて絞り込み検索をすることができます。

次の助産師さんのためのお役立ち記事「助産師さんのライフプラン 出産・育児との両立を実現したい!」では出産・育児とお仕事を両立したい助産師さんのための取り組みや支援を詳しくご紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。

エコー写真を撮る助産師
※参考
(日本看護協会) 『周産期医療の現状と課題
(カインドメディカルネット) 『助産師の専門求人【助産師・産科ナース】
(厚生労働省) 『安心と希望の医療確保ビジョン(PDF)