近年、医師の働き方改革の一つとして医師の業務の一部を看護師や薬剤師に移管する「タスクシフト」が進みはじめ、専門分野ごとに高度な技術を身につけた専門看護師や認定看護師が、医師がこれまで行ってきた業務の一部を担うようになってきました。
中でも日本の国民病ともいわれるがんの治療は日々発展を遂げており、医療現場で働く看護師さんも、がん治療に関する知識や技術の重要性を肌で感じているのではないでしょうか。
カインドメディカルネットでは、これまでに認定看護師やがん専門看護師についてご紹介しましたが、「がん薬物療法看護認定看護師」「がん放射線療法看護認定看護師」という資格もあります。
がん薬物療法・がん放射線療法看護認定看護師の資格と役割
それぞれの役割や、職場についてご紹介していきます。
がん薬物療法看護認定看護師の資格と役割
患者さんやその家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護分野ごとの専門性をもって「実践・指導・相談」という3つの役割を果たし、看護の質の向上に努めるのが認定看護師です。
認定看護師には19の専門分野があり、がん薬物療法看護認定看護師はそのうち「がん薬物療法看護分野」で認定審査に合格すると得られる資格です。
認定審査では、がん薬物療法薬の安全な取り扱い、適切な投与管理、副作用症状の緩和およびセルフケア支援等の技術と知識が求められます。
がん薬物療法看護認定看護師は、抗がん剤の投与管理など直接的な業務に携わるほか、患者さんや家族の薬物療法に関する意思決定支援、外来薬物療法の手順書の作成、抗がん剤の取扱いに関する指導役、相談役も担うなど、薬物療法の質向上を目指して活動しています。
認定看護師の認定審査等について詳しくは以下をご覧ください。
がん放射線療法看護認定看護師の資格と役割
がん放射線療法看護認定看護師は認定看護師の専門分野の一つ「がん放射線療法看護分野」で認定審査に合格すると得られる資格です。
副作用の予防と緩和、セルフケア支援、安全・安楽な治療環境提供の技術と知識が求められます。
がん放射線療法看護認定看護師は、放射線療法を選択するときに患者さんや家族の不安を取り除いて意思決定を支援したり、医師や放射線技師と連携してスムーズに放射線治療が行えるよう調整したりするほか、放射線治療看護に携わるほかの看護師への指導なども行います。
がん薬物療法・がん放射線療法看護認定看護師としてキャリアアップしよう!
現代のがん治療では、手術以外の治療方法として薬物療法・放射線療法が広く行われており、術前・術後の補助的な治療として薬物療法を組み合わせて行う療法も普及してきました。
もちろんこれらの専門知識を持った看護師さんは多くの医療現場で活躍が期待されており、副作用に関する講座や講演など、病院外にも活躍の場が広がっています。
がん薬物療法・がん放射線療法看護認定看護師の就業先は、主にがんセンターや各都道府県のがん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院などですが、このような病院に通って薬物療法や放射線療法を受けながら、がんとともに日常を送っていく患者さんは珍しくなくなりました。
こういった多くの人たちにとって、副作用の予防やセルフケアの助言ができるがん薬物療法看護認定看護師・がん放射線療法看護認定看護師の存在は強い支えになることは間違いなく、看護師さんの仕事のやり甲斐につながります。
また専門看護師と同様に、医師のように専門分野を持つことがスキルアップ・自信につながります。
特に発展目覚ましいがん領域で高い技術と知識を身につけることは、役職・給与などに反映することもあるでしょう。
がん看護領域ではほかに、「緩和ケア」「乳がん看護」という専門分野もあります。
カインドメディカルネットでは、がん看護に携わる看護師さんの求人を多数掲載しているほか、求人サポートサービスで看護師さんの就職に関するご相談も受け付けています。
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