看護相手とじっくり向き合える仕事がしたい! 訪問看護ナースの仕事とは?

訪問看護で働く看護師と患者

「看護師」と一口に言っても、働く場所や看護力の生かし方はさまざまです。
病院やクリニック、介護施設など、勤務する診療科や場所によって仕事内容は異なり、看護する患者さんとの距離感にも違いがあるでしょう。
ここでは、訪問看護師として働くことを考えている看護師さんに、その役割から詳しい仕事内容、従事することのメリットなどを詳しく見ていきます!

今後、訪問看護師さんのニーズは高まっていく!

老人の手に寄り添う看護師の手

医療の進歩により超高齢化社会となった日本では、在宅で看護が必要な要介護者が増加していますが、核家族化が進んだことにより、要介護者のケアを十分にできる家族がいないというのが実情です。
また、適切な看護を受けながら自宅で生活を送りたいと願う患者さんの数も増えており、医療機関での入院日数を減らし医療費の削減を目指している国の政策も相まって、訪問看護という分野の看護需要は今後ますます高まってくるでしょう

実際、訪問看護ステーションの数は1993年には約280施設でしたが、2022年にはその数約8,800にまで上っており、訪問看護を行う医療機関の数も併せて増加しています。
そしてこれらの数は今後さらに増加することが見込まれます。

訪問看護師の仕事内容ってどんなもの?

では、実際に訪問看護師さんの仕事内容について詳しく記していきます。
病気や障害を持った患者さんが、在宅や施設など安心できる空間で生活を送るために、その場所へ訪問し、患者さんの医療的ケアや、患者さんやそのご家族への心理的なサポートを行うのが訪問看護師さんの主な役割です。

訪問先での具体的な仕事内容は以下の通りです。
1. 患者さんの健康状態の把握
バイタルをチェックし現状の健康状態の把握や、前回訪問時からの変化の有無の確認、ご家族からの患者さんの様子のヒアリングなどを行います。

2. 医療処置
状況に応じて、喀痰吸引や在宅酸素療法の数値管理、服薬の確認・管理、浣腸や褥瘡処置などの看護を提供します。

3. QOL向上のための生活支援
患者さんが自宅で快適に過ごすために、清拭や栄養・排泄の管理、適切な生活環境の確認や見直しをします。

4. ご家族のサポート
患者さんだけでなく、そのご家族の抱える悩みや不安をヒアリングし、必要に応じて関係各所との連携を図り、心理面での不安を取り除くサポートをします。

ひとりひとりに寄り添える訪問看護のお仕事

前述したように、訪問看護師さんの仕事は、患者さんご本人に対して看護力やQOLを保つ細かなケアの提供だけでなく、そのご家族への心理的サポートも大きな役目です。
患者さんやご家族は、訪問看護師さんの顔を見るだけでも安心感を覚え、抱えている想いを聞いてもらうことで不安が解消されるといったことも少なくないでしょう。

訪問看護師さんの「患者さんやご家族に寄り添う気持ち」が何より訪問看護を利用する方々の生活上の大きな支えとなります。
訪問看護という仕事は、患者さんやご家族それぞれに親密に関わり直接的な支援を担う尊いお仕事です。

訪問看護師さんとして働くメリットとデメリットとは?

では、訪問看護師さんとして働く上でのメリットとデメリットとはどのようなことでしょうか?

患者さんとじっくり向き合いたいという看護観を持つ看護師さんにとっては、訪問看護の仕事はこの上なく自身の想いとマッチした仕事と言えるでしょう。
勤務形態としては基本的に夜勤がなく、土日を休日としている施設や医療機関が大半なので、生活リズムを整えやすく、この点は大きなメリットと言えるかもしれません。
また、場合によっては直行直帰ができる職場も多く、移動時間の無駄も省けるでしょう。

デメリットとしては、在宅看護という特性上、最先端や高度な看護技術が学べるという職種ではありません。
最新の医療を学びたい、自身の看護技術を向上させたいという看護師さんには少し物足りなさを感じる場面があるかもしれません。
ですが、訪問看護師さんの仕事は社会的貢献度が高くやりがいを強く感じられる重要な仕事と言えるでしょう。

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※参考
(全国訪問看護事業協会) 『令和4年度 訪問看護ステーション数 調査結果(PDF)
(日本訪問看護財団) 『訪問看護とは