自然豊かで公園が多く、大型商業施設も多くて暮らしやすい埼玉県。交通の便がよく東京から近いのに、家賃など生活コストが安いので便利で住みやすい地域です。
今回は埼玉の中でも上尾・川越以北〜秩父を含む郊外エリアでの病院事情を集計し、求人の傾向と対策を解説します!
埼玉北部・西部・秩父の病院の特徴は?

埼玉県にある病院339施設のうち、川越比企医療圏(川越・東松山・坂戸ほか)、西部医療圏(所沢・飯能・狭山ほか)、北部医療圏(熊谷・本庄・深谷ほか)、利根医療圏(行田・加須ほか)、秩父医療圏(秩父ほか)の5医療圏に172施設/30,658床が分布しており、これは県全体の約5割に当たります。
同じ県内でも県庁所在地のさいたま市から約1時間半の秩父医療圏では医師や看護師さんなどの医療従事者が不足していて、夜間の重症患者さんを2病院で、輪番制で受け入れている状況です。小児科や産科、婦人科も少なく、地域によって格差が生まれており、効果的な対策が求められています。
病院タイプ別の求人特性
これらの5医療圏を合わせると、病院数、病床数は県南・東部・さいたま市3圏(140施設/27,000床)とほぼ対等な規模です。求人数は都市部より少ないものの、じっくり選べるのが利点です。
急性期病床の比率は南部より低く、療養病床、回復期病床、精神病床の合計が約48%と高比率となっています。地域包括ケア病棟・リハビリ病棟が多く、残業少なめ・夜勤回数月5~6回の求人が目立ちます。地域包括ケア病棟では患者さんが自宅に戻ってその人らしく生活できるように、ご家族や地域の専門職種と連携して退院調整を進める必要があります。退院後のケア方法や地域の介護サービスについてなど、在宅支援に関する幅広い知識が身に付くでしょう。また、さまざまな疾患を抱えた患者さんをサポートするので、看護師さんとしての経験も積むことができます。小児・循環器などの高度急性期は少ないため、専門的なスキルを深掘りしたい看護師さんにはこれらの地域で求人を探すのは難しいでしょう。
転職時の注意点
療養病床では安定した状態の患者さんが多いため、夜勤人数が少なく、2~3名の体制が多いのが特徴です。一人の受け持ち患者数や夜勤中の休憩時間はどのくらいとれるのかなど、業務負担を面接で確認しておきましょう。急性期病院が少なくポスト競争が激しいため、専門部署は応募が集中します。やりたい職種が決まっている場合は求人サイトや転職サイトを活用してこまめに求人をチェックしましょう。
埼玉県は交通機関も発達していますが、これらの地域ではマイカー通勤が約70%と主流となっています。ガソリン代の補助はでるのか、駐車場の有無や駐車場代をチェックしましょう。研修に力を入れている施設と、そうではない施設の差があります。ブランク研修などを受けたい看護師さんは研修の有無を聞いておくとよいでしょう。
川越・北部・西部・本庄・秩父の5医療圏は生活コスト減 & 勤務負担減を狙う看護師さん向きで、在宅移行・リハビリ・地域包括ケアを強みにできます。求人数は十分あるものの情報が分散しているため、コンサルタントを上手く活用して隠れ好条件を逃さないのがコツです。
カインドメディカルネットでは埼玉県の求人が多数あります。働きたい職種や地域などが決まっている看護師さんは、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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地域医療情報システム (JMAP) / 厚生労働省「医療施設調査」2024
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埼玉県医療人材課「令和4年度 看護職員の採用状況等に関する調査結果」