看護師さんのコミュニケーション術(対 医師編)

医師とコミュニケーションをとる看護師

日々、状況がめまぐるしく変化する現場で、他の医療職種の方々と関わり看護を提供する看護師さんですが、なかでも、医師とコミュニケーションを取る機会は毎日頻繁にあるでしょう。
今回は、なにかと忙しい医師とのコミュニケーションについて悩む看護師さんのために、お互いにストレスを抱えないコミュニケーションの取り方をお伝えしていきます。

看護師さんは患者さんと医師を繋ぐ重要なパイプ役!

子どもの患者と話をする看護師

看護師さんは、常に、医師をはじめ職場内のさまざまな職種と連携し、患者さんに適切な看護を提供するのが主たる業務です。
言い換えれば、医師・他の医療関係者と患者さんを繋ぐパイプ役となる、とても重要なポジションにいます。
そのため、患者さんとの円滑なコミュニケーションはもちろんのこと、医師とも行き違いのないコミュニケーションを図ることが、適切な看護を提供する上では最も大切なことと言えるでしょう。

2024年には、医師の働き方改革のためのタスクシフト/シェアの議論が取りまとめられ、医療現場において、医師から看護師・その他の医療専門職への業務・裁量分配が推進されることとなりました。
つまり、日頃から、医師と確かな意思疎通が図れるような関係、または環境を整えることが今まで以上に必要になってきています。

お互いにとってストレスフリーなコミュニケーションとは?

慌ただしい医療現場で、看護師さんが医師とスムーズなコミュニケーションを図るために、次のことを気にかけてみてはいかがでしょうか。

報告、連絡、相談は簡潔に
忙しい医療現場では、明確で簡潔、かつ漏れなく情報を共有することが重要です。
正確さと効率を意識した申し送りを心がけましょう。
例)Aさんの転倒の報告です。Aさんは○○で入院されていて最近の治療経過は△△でした。
転倒により症状は〜、バイタルは××です。
互いに尊重し合う意識を
医師と看護師は異なる立場や価値観、意見を持つ者同士だと理解した上で、看護職の視点からの考えや判断への理解が得られるよう医師に伝えていくことが必要です。

これらを踏まえ、日頃から挨拶や返事等でお互い気持ちの良いコミュニケーションを心がけ、雰囲気の良い職場環境を作るのも大切なことです。

医師と看護師、 同じ目的を持つ医療従事者として…

医師とのコミュニケーションにおいて、看護師さん側が気配りをしていても、うまく連携を図ることができなかったり、意思の疎通が難しかったりといったシーンがあるかもしれません。
日本看護協会が看護師さん用の学習テキストとして公開している『看護職が直面する倫理的問題とその考え方』の中には次のような記述があります。
「多職種の間で意見が一致せず、何をするべきかわからなくなることも多い。(中略)出された意見から、どこに見解の違いがあるのかなどを共有し、チームとして解決のための方針を検討していくことが求められる。このとき、患者又は利用者等が中心であるという前提を共通認識とし、その上でチームの中で看護職として行うべきことを検討し、専門性を発揮しながら他職種と協働していくことが重要である」。

人と人、相性があるのは事実ですが、医師も看護師さんも患者さんの助けとなりたい気持ちは同じはずです。
そして、両者間の良い関係は、患者さんのケアにも深く影響することでしょう。
そのためには、まず、お互いの視点の違いを理解、尊重し合えるような関係づくりを意識することが大切です。

カインドメディカルネットでは、イキイキとした看護師ライフを送るため、看護師さんの職場で役立つ情報を幅広く発信しています。
また、お望みの働き方が実現できる多種多様な求人情報も数多く取り揃えていますので、業界についての知識や情報を得たい看護師さんもいろいろなページにアクセスしてみてください!

※参考
(日本看護協会) 『多職種連携と倫理