看護師という職業は、これからの超高齢化社会において常に高い需要が予想されるため、自身の意欲次第で生涯続けられる仕事と言えるでしょう。
それゆえ、日々看護の現場を支えている看護師さんの中には、長い看護師人生を見据えて「看護師としてもっとステップアップしたい」「専門的なスキルを極めたい」そんな想いから、専門看護師を目指している看護師さんもいるのではないでしょうか?
この記事では、専門看護師を目指している看護師さんのために、働きながらでも目指すことができてキャリアアップにも繋がる専門看護師について詳しく解説していきます。
専門看護師のキャリアパスに興味のある看護師さんは必見です!
専門看護師ってどんな看護師さん?
まず、専門看護師とは一体どのような看護師さんなのでしょうか?
専門看護師とは、水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を持ち、卓越した看護を実践できると認められた看護師のことで、14に分かれた専門看護分野ごとに日本看護協会が認定している資格制度です。
昨今では、医療の高度化や専門化に伴って専門看護師の活躍の場は拡大し、認定者の数も年々増加しています。
専門看護師の専門看護分野は以下の14分野に分かれており、特定の分野で高度な知識と技術を持ち、患者さんやその家族に質の高いケアを提供する役割を担います。
がん看護/精神看護/地域看護/老人看護/小児看護/母性看護/慢性疾患看護/
急性・重症患者看護/感染症看護/家族支援/在宅看護/遺伝看護/災害看護/
※各分野の特徴についてはこちら(日本看護協会の専門看護分野一覧)をご参照ください。
また、よく比較される資格として認定看護師がありますが、認定看護師は19ある特定の看護分野での実践能力を認定されるもので、主に臨床現場での患者さんに対する看護能力の高さに重点を置いて評価している認定資格です。
専門看護師になるためには…
実際に専門看護師として活躍するためには、以下の要件を満たしている必要があります。
1.日本の看護師免許を持っていること
2.看護系大学院の修士課程を修了し、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
3.実務研修が通算5年以上あり、そのうち3年以上は専門看護分野の実務であること
※専門看護分野の実務研修におけるフィールドについてはこちらをご参照ください。
これらの受験資格を満たしたうえで、日本看護協会が毎年1月に実施する認定審査(書類審査・筆記試験)に合格することで、専門看護師の認定証が交付され、専門看護師として登録されます。なお、専門看護師の認定資格は5年ごとに書類審査での更新手続きが必要です。
働きながらでも専門看護師を目指せる!?
現在、看護職に就いているけれど受験資格の要件を満たしていないという場合でも、以下のような制度や支援を活用することで、働きながら専門看護師を目指すことは可能です。
・長期履修制度
大学院の修士課程を通常の2年ではなく、3年やそれ以上の期間で履修する制度です。また、一部の大学院ではオンライン授業を取り入れているため、これらを利用することで、仕事とのバランスを取りながら学業を進めることができるでしょう。
・奨学金や支援制度
日本看護協会や各種団体、大学院独自の奨学金制度を活用することで、金銭面の負担を減らすことが可能です。
・職場からの支援
勤務している医療機関によっては、学費の補助や休職中の給与支給などの支援制度を設けている場合もあるので、一度確認してみてもいいかもしれません。
専門看護師の資格で広がるキャリア!
専門看護師の資格を取得することで、その後の看護師キャリアの可能性は大きく広がります。
看護の現場だけでなく、看護学生や新任看護師の教育・研修に携わったり、看護学分野での研究活動に従事したり、地域医療の現場で貢献したり、医療政策に関与し看護の視点から改善のための提言を行うなど、活躍の場は多岐にわたります。
そして、専門知識とスキルを得たことで給与や待遇が向上し、やりがいを感じられるシーンも増えるでしょう。
もしも、そんな専門看護師の資格取得を考えた際には、自分自身のキャリア目標を明確にしておくことで、取得への意欲もより高まるはずです。
あなたも、看護師としてさらにスキルアップするために、専門看護師の資格取得を目指してみませんか? あなたのその一歩が、未来の医療を担います!