2025年問題で看護師が余るという話を聞き、焦りや不安を感じている看護師さんはいらっしゃいませんか。
看護師は人手不足だと言われているのに、どうしてそんな話が出てきたのでしょうか?
2025年問題が看護師さんにどう影響するかについても一緒に見ていきましょう!
2025年問題とは
2025年には約800万人いるすべての「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)が75歳以上となり、国民のおよそ18%が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。
その結果、大量の後期高齢者を支えるための社会保障費が増え、労働者が不足し、特に医療従事者の不足によって医療サービスが低下するなど、さまざまな問題が起こると言われています。
どうして看護師が余ると言われているの?
医療従事者不足が問題視されているのに、なぜ看護師が余るという話が出たのでしょうか。
厚生労働省は「平成26年度診療報酬改定」にて、7人の入院患者さんに対して看護師1人を配置する高度急性期病棟について、約35万7,500床から18万床へ減らす方針を定めました。
診療報酬が高く、数が増えすぎていたため、代わりに回復期病棟や地域包括ケア病棟の割合を増やすことにしたのです。
この改定を受け、病院で働く看護師は将来的に14万人以上余るといった民間企業による試算も報道されました。
つまり、2025年問題で余ると言われているのは「高度急性期病棟で働く看護師」のことだったのです。
実際には看護師の需要は高まり続ける!
実際は2025年問題で労働人口が減り、高齢者が増え医療の必要性が増えることで、看護師が大幅に不足すると言われています。
厚生労働省の資料では、2025年には約6万~27万人の看護師が不足すると推計されています。
日本看護協会は看護人材を確保するために、新規養成・定着促進・復職支援の3つを中心に、看護師さんが働き続けられる環境づくりに取り組んでいます。
2025年問題が看護業界に及ぼす影響
上記で述べた人材不足を補うために電子カルテを導入し業務効率の向上を図る取り組みが進み、看護師さんの負担を軽減するために病院内でお薬や検体を運ぶロボットや移乗や入浴のサポートをするロボットなど、医療用や介護用のロボットも開発され導入されています。
質の高い医療を地域で提供するために、患者さんの他の病院での治療内容や診療情報を医療機関で共有できる医療情報連携ネットワークが活用されており、医療業界のICT(情報通信技術)化が進んでいます。
また、地域包括ケアシステムが構築され、要介護状態になっても最期まで住み慣れた地域でその人らしく過ごせるように支援が広がっており、看護師の役割が医療機関での看護に限らず、在宅医療や予防医療にまで拡大しています。
これまでの病院で回復を目指した看護から生活を送る上での看護に代わるので、在宅療養を支援する訪問看護師や介護保険施設での看護師の需要が高まるでしょう。
2025年問題に向けて看護師さんに求められることは?
今後は高齢者の日常生活を支えるために、看護師さんは医師や保健師やケアマネージャー、リハビリスタッフなどの他の医療機関や介護施設の方々と連携して患者さんをサポートする必要があります。
そのため、他の職種の方々の仕事を理解し、円滑にコミュニケーションを図り、情報を共有することが求められます。
看護師さんの役割は増え、認知症ケアや終末期ケア、慢性疾患の管理など専門的な分野での知識や技術も必要となるでしょう。
上に述べた通り医療業界のICT化が進んでいるので、電子カルテ作成のタイピングスキルなど、パソコンも使えるようにしておきましょう。
実際には看護師さんは余るどころか、ますます足りなくなるといえます。
看護師免許を持っているけれどいつから働こうか考えている方には復職のチャンスですね。
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ぜひお気軽にご相談ください。
(厚生労働省)『我が国の人口について』『医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(案)(PDF)』
(日本看護協会)『2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョン』