エッセンシャルワークの看護師さんは、夜勤で体の負担が大きかったり、職務内容によって危険を伴う作業が発生したりします。その分、お給料に反映してもらえるのがいろいろな手当。基本給に加え、この手当の額で手取額が変わります。夜勤をする・しない、資格を取る・取らないなど、この手当はお給料だけではなくキャリアプランにも関わってきますので、額面だけではなく手当についてもよく知っておきましょう。
今回は、よく知られている夜勤手当からあまり知られていないものまで、看護師さんの手当について深掘りします!
夜勤手当の金額目安をチェック!
看護師さんの多くが経験する夜勤には、もちろん手当がつきます。基本として労働基準法では深夜の時間帯に働く場合は、深夜勤務割増給として基本給の25%以上を上乗せした賃金を支払うよう定められています。また施設によっては夜勤をした回数に応じてもらえる手当もあり、夜勤手当の額は病院や施設によってさまざまです。そ施設の規模や種類、交代の制度によって異なりますが、1回あたりの夜勤手当の平均額は次のようになっています。
三交代制の場合、ひと月の平均夜勤回数は7~8回未満です。月4回の準夜勤、月4回の深夜勤をした場合、夜勤手当は約37,700円という計算になります。
二交代制の夜勤時間は約16時間と長いために夜勤手当も高くなります。また、平均夜勤回数は4回超~5回未満が多いという結果が出ています。月に5回の二交代制夜勤をすると、夜勤手当は56,840円となります。
今後看護師さんの手当はどうなっていくの?
ここまで、看護師さんに支給される夜勤手当を中心に見てきました。
近年、物価高騰や他産業での賃上げが進む中で、「看護職の処遇は本当に仕事に見合っているのか」が大きなテーマになっています。日本看護協会の資料によると、20代のうちは看護師さんの給与が全産業平均より高いものの、30代以降は逆転し、40代後半では夜勤手当などを含めても月約9万5千円の差が開いているというデータも示されています。このまま十分な処遇改善が進まなければ、他産業への人材流出が進み、地域医療を支える看護師さんの確保が難しくなることが懸念されています。
今後数年は、診療報酬改定や各医療機関の賃金制度の見直しを通じて、夜勤手当や各種手当の水準・支給方法が変化していく可能性があります。ただし、どれくらい改善されるか、どの手当が重視されるかは医療機関ごとに差が出ることも予想されます。
そのため、転職の際には「夜勤手当の金額」だけでなく、
資格や役割に応じた手当がきちんと明記されているか
賃金制度や手当の説明がわかりやすく開示されているか
といった点もチェックしておくと安心です。もし不明なことがあれば気軽にコンサルタントまでご相談ください。
では実際に、「ボーナスに手当は含まれるの?」「資格を取れば必ず手当が付くの?」といった、よくある疑問についても見ていきましょう。
よくある誤解Q&A
ここでは、看護師さんのお給料の手当についてよくある質問に回答します。誤解しがちなポイントなので、ぜひ知っておいてくださいね。
Q. 「ボーナスは月給の〇カ月分」…このときの「月給」は手当も含んだ金額?
→ A.基本的には手当を含まない、基本給の○カ月分です。ただ職場の方針にもよるので、ボーナスの計算の仕方も確認しましょう。
Q. 資格を持っていると絶対手当がもらえる?
→ A. 勤務先の決まりによって手当のあり・なしが変わります。求人情報や面談で、ご自身が持っている資格で手当が出るかどうか確認しましょう。
まとめ
2024年の「日本看護協会調査研究報告」「直近3年以内に実施した看護職員の夜勤者の確保策(複数回答、n=3417)」によると、夜勤者確保のために夜勤手当を一律増額した施設は424施設(12.4%)。また、夜勤回数に応じて夜勤手当以外の手当を支給したのは298施設(8.7%)となっています。夜勤ができる看護師さんに自施設で働いてもらうために、夜勤手当を充実させて対策をしている施設がこれだけあるのですね。就職・転職する際には、こういった手当の充実している施設を選ぶのも一つのポイントです。
また一口に夜勤手当といっても、計算や支給の仕方は施設によって異なります。夜勤手当の中に深夜勤務の割り増し分が含まれている場合もあるので、求人に応募する前に手当の内容や計算の仕方まで聞いておくと安心。「お金のことは聞きにくい…」という看護師さんは、看護師さんや助産師さん専門求人サイトのコンサルタントに相談を。遠慮なく手当について深掘りして聞くことができますよ。


















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