助産師さんとして働くためにはどうしたらいいの?

笑顔の助産師

お産を介助するだけではなく、妊娠から出産後まで女性と赤ちゃんをサポートする助産師さん。
助産行為は医師と助産師さんのみに許されており、命の誕生の瞬間に携わることもできるため、憧れている看護師さんもいるのではないでしょうか。
看護師さんが助産師としてキャリアアップするためにはどうしたらよいのでしょうか。

助産師さんになるには?

笑顔の助産師2

日本では現在助産師さんになれるのは女性のみです。助産師さんになるには、国家資格である看護師免許の他に助産師免許も取らなければいけません
助産師国家試験の受験資格を得るためには、看護師国家試験の受験資格を取得してから1年以上の課程を修了する必要があります。
4年制の看護大学で看護師課程と助産師課程の両方を終了し、看護師国家試験と助産師国家試験の両方に合格してそれぞれの国家資格を取ることもできますが、多くの大学では助産師課程の定員数が少なく、学内の選考に通らなければ受講することができません。
また、看護師国家試験と助産師国家試験を同時期に受ける必要があるので、国家試験対策が大変になります。

現役の看護師さんが 助産師さんになるには?

現役の看護師さんが助産師さんを目指す場合は、短大の専攻科や大学別科や専門学校で1年、あるいは大学を卒業している場合は大学院の助産師課程で2年学べば、助産師国家試験の受験資格が得られます。
助産師課程のある教育機関のほとんどは全日制で、座学と実習を1~2年で履修しなければならないため、仕事を続けながら学校に通うことは難しいと思われます。

2024年の助産師国家試験の合格率は98.8%でした。看護師国家試験の合格率は例年90%前後であることを考えると、助産師国家試験の合格率は高いといえます。
准看護師さんはまず看護師国家資格を取らなければいけません。高卒以上の准看護師さんは全日制の看護師学校養成所に2年、あるいは定時制で3年通い、看護師国家試験に合格することで、看護師資格を取得することができます。
中卒の場合は実務経験が3年以上必要になります。実務経験が7年以上あれば、通信制の学校に2年通うことで看護師国家試験を受けることができます。

助産師さんの働く場所は?

厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例」によると、助産師さんとして働いている人は3万8,063人で、そのうち2万3,109人(60.7%)は病院で、8,770人(23.0%)は診療所で働いています。
診療所は19床以下の医療機関のことで、医師と協力してお産を行う点は病院と同じです。
助産院で働いている助産師さんは2,445人(6.4%)です。助産院は医師ではなく助産師さんが妊婦さんの心と体のケアや分娩のサポートをする場所で、医療法第2条によって入院床数は9床以下と定められているため、小規模でアットホームな雰囲気となっており、妊婦さんの希望に沿った自然な形でお産を行うことができます。
母体や新生児に何かトラブルが発生した場合は嘱託医や提携医療機関に搬送するなどの対応がとられます。

助産師さんのお給料は?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、助産師さんの平均月収は39万5,800円で、看護師さんの平均月収35万2,100円より4万3,700円高い結果となっています。賞与も91万9,900円と、看護師さんの85万6,500円よりも6万3,400円高いです。
お産はいつ始まるかわからないため、夜勤や残業、オンコール対応があるところも多いですが、助産師さんは看護系の専門職の中でも給料が高く、高収入が得られる仕事です

少子化が進んでいるとはいえ、産科医が不足しており助産師さんが妊婦検診を行う「助産師外来」を設置する医療機関が増えているなど、助産師さんの需要はさらに高まっています

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※参考
(厚生労働省) 『令和4年衛生行政報告例
(e-Stat) 『令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況