近年、美容医療産業は拡大傾向にあります。コロナ禍を経て美容分野のクリニックの数は増加しており、東京都にある医療機関の数を分析すると、人口18,000人あたりに1件の割合で美容に関する医療機関が存在するという調査結果が出ています。

また、SNSが普及し、情報が広範囲に届くようになったことで、人々にとって美容医療がより身近な存在になり、幅広い層の興味・関心を引くようになりました。
メディアを通して多くの人が美容分野のさまざまな施術を公にすることで、ひと昔前よりも美容クリニックを訪れるハードルはかなり低くなってきています。

さらに、男性も美容に興味を持ち始めたことで、男性専用の美容クリニックなども登場するようになりました。
これらの複合的な要因で、美容医療の分野が拡大しています。そして、この美容医療を支えているのが、美容ナースなのです。

この記事では、近年注目されている美容ナースについて、その活躍の場やお仕事内容などを詳しく解説していきます。
最新の美容医療に興味がある看護師さん、美容ナースとして働くことを考えている看護師さんは必見です！

多様な美容ナースさんの職場をご紹介！

美容ナースとは、美容に特化した診療・施術を行う医療機関で働く看護師さんのことで、増大しつつある美容市場と共に、美容ナースの活躍の場も多種多様になってきています。
外科的な施術を行う美容外科、しみ・そばかす・しわ・たるみなど肌トラブルに関する施術や治療を施す美容皮膚科、脱毛サロンやアートメイク専門のサロン、美容点滴専門のクリニック、アンチエイジングに特化したクリニックや最近話題の再生医療を扱うクリニックなど、さまざまな美容分野で美容ナースの求人が数多く存在します。

当然、来院する患者さんは美容への意識が高いので、多くの美容クリニックではこの顧客のニーズに応えるべく最新の美容医療や機器をとり入れる傾向にあり、美容ナースはその最前線に携わることができる職業と言えるでしょう。

美容ナースのお仕事内容や待遇は？

では、実際の美容ナースのお仕事はどのようなものでしょうか？

クリニックの種類によってさまざまですが、以下に主な仕事内容を挙げていきます。
美容外科では、主に整形手術や脂肪吸引を行う医師のサポート業務や手術前の準備、術前術後の患者さんの心身状態の管理やカウンセリングなどを行います。
美容皮膚科においては、しみ・そばかすなど、肌質改善目的のためのレーザー治療の補助や薬剤の塗布など治療前後のケア、薬剤の処方準備などが主だった業務です。
また、脱毛サロンではカウンセリングや脱毛施術、施術前後のケアに加えて、機器のメンテナンスなどを行う機会も多いでしょう。

その他にも、アートメイクサロンでは医師監修のもと、患者さんのアートメイク施術を行うこともあり、その前後にカウンセリングやケア方法などの説明、アフターフォローなどを任されますし、美容点滴サロンでは患者さんの目的に応じた点滴薬剤の準備や投与、投与中のモニタリング、その後の心身状態の確認などを行います。
美容ナースの待遇については一般的な医療機関に勤務する看護師さんと比べて高給と言われています。
これは、大半の美容クリニックが保険適用外の自由診療でクリニック独自の料金設定が可能なことから、この収益が従業員に反映されやすいという点に加えて、美容ナースにも美容分野に特化した独自の看護技術や接遇マナーという特別な能力が求められるという点にもあると言えるでしょう。

美容の最前線で働いてみよう！

前述したように、美容ナースの活躍の場は多岐に渡り、その可能性は今後も広がっていくことが予想されます。
美容に詳しい看護師さんや、若年層の美容に興味のある看護師さんは、この分野で大いに活躍できる資質があるといえるでしょう。

なお、美容ナースとして働く際には看護師資格以外の特別な資格は必要ありませんが、スキンケアについての知識や美容薬学検定など、美容に特化した知識や資格を所有していることで、任される業務や活躍の機会、待遇面での可能性はより広がるはずです。
現時点で既に大きな市場である美容分野で美容ナースとして働くことは、今後の看護師としてのキャリアパスを考える上で、有望な選択と言えるのかもしれません。

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