応援看護師とは、3〜6カ月などの期間限定で働くスタイル。看護師さんの経験を生かしながら、働く場所や期間を自由に選べて、しかもお給料もしっかりもらえるという話題の働き方なのです。ひとくちに応援看護師といっても、応援に行く病院や働く看護師さんによってお仕事はさまざま。いろいろな応援看護師の現場をイメージしていただくために、具体的な看護師さんの経験や応援先の看護領域を例に挙げながら、お仕事内容や求人情報のチェックポイントを解説していきます。
今回は、急性期病棟を経験した看護師さんが療養(慢性期)病棟での勤務をしたら、どんな力が身につくのか?解説します!
療養病棟とは?急性期病棟との違い

療養病棟は「長く安全に暮らす」ことを支える医療の場です。急性期病棟が治療中心なのに対して、療養では安全・安定・生活がキーワードとなります。
令和6年度の診療報酬改定では、療養病棟入院基本料の評価体系が見直され、医療区分(疾患・処置)とADL区分(生活自立度)に基づく30分類で患者の状態を評価する仕組みが導入されました。
看護師はこの評価をもとに、誤嚥・褥瘡・せん妄・感染の予防に注力し、体力と栄養を保つケアを行います。患者さんのこれからの生活のために寄り添いたい気持ちがある看護師さんにとって、やりがいのあるお仕事になるでしょう。
急性期スキルを生かす具体例
療養病棟と急性期病棟でのお仕事の違いについてご紹介しましたが、急性期病棟で培ったスキルは、療養病棟でも生かせます。例えば、次のようなスキルを身につけている急性期病棟の経験者である看護師さんは、「生かせる」以上に強みを持っているといえるでしょう。
・優先順位づけ:安全(転倒・誤嚥・圧抜き)→栄養・水分→活動性の順で日課を組むことができる
・チーム連携:医師・栄養士・リハビリ・歯科衛生士に「事実→提案」で簡潔に共有できる
赴任~着任~ならし運転のプランの一例
では、実際に赴任したときにはどのような流れでお仕事が始まっていくのでしょうか? 主には、次のよう流れになります。
誤嚥・褥瘡ハイリスク患者を把握します。
2. 受け持ち開始
口腔ケア→食前嚥下チェック→体位変換をルーチン化するといった内容で受け持ちを始めます。
3. 多職種カンファレンスに参加
目標(誤嚥ゼロ・体重維持など)を確認し、食事場面の他職種チェックで口腔・栄養・リハビリの連携を体感します。
こういったイメージをもった上で入職すると、一つの職場で基本的に短期間だけ働くことになる応援看護師さんもスムーズにお仕事を始められるでしょう。
応援看護師が押さえるべき実務のポイント例
では、ならし運転を終えて実務に入ったら、どのようなお仕事があるのでしょうか。ポイントを押さえておきましょう。
•せん妄予防(環境調整・睡眠リズムの維持など)
•褥瘡予防(体位変換・シーツ管理)
•感染予防(手指衛生・隔離対応)
•退院先の見立て(医療区分・ADL区分から介護医療院や在宅移行の選択肢を共有)
求人票のチェックポイント
応援看護師として療養病棟に応募する際は、以下の項目を確認しておくと、スムーズにお仕事を始められる職場かどうかを見極めることができます。情報共有や教育体制の充実度は、短期間でスキルアップを目指すためのキーポイントとも言えますね。
・医療区分/ADLの運用方法
・カンファレンスやミールラウンドの有無
・夜勤体制(人数・交代制)
・応援看護師向けのマニュアルやeラーニング教材の有無
・応援看護師が活躍しているかどうか
まとめ
療養病棟では、医療区分・ADL区分に基づく「予防と安定」の看護が主役です。応援看護師として短期間でも、口腔・栄養・リハの一体運用や、せん妄・褥瘡・誤嚥の予防ケアを実地で学ぶことができます。
応援看護師の求人選びでは、評価体制・多職種連携・初週の研修内容を確認し、見学でミールラウンドや夜勤導線をチェックすることで、初めてでも安心して成果を出せる環境を見つけることができます。これらの項目は、カインドメディカルネットの求人情報で見ることができるほか、専任の求人コンサルタントに詳しく聞くこともできます。ぜひ、ご相談くださいね。