「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」、看護師さんなら一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
さまざまな職業が存在する中で、医師や看護師などの医療従事者はバーンアウトしやすい職種だと報告された研究結果があります。
その理由は何なのでしょうか?そして予防策はあるのでしょうか?
今後の看護師生活においていざというときに役立つ、バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)についての基本から予防策までを詳しく解説していきます。
バーンアウト(燃え尽き症候群)ってどんな状態?
バーンアウトとは、長期的なストレスや過労により心身ともに疲弊し、仕事や日常生活に対する情熱や興味を失う状態を指し、エネルギーを使い果たし何もかもが面倒に感じる「燃え尽きた」状態です。
看護師は、人と関わる職種のため、情緒的な負担が大きく、人間関係のストレスを抱えやすいと言われています。
看護職員の離職率は年々増加傾向にあり、これにはバーンアウトが深く関わっているという調査結果もあることから、看護師さんのバーンアウトを未然に防ぐのが離職率の増加に歯止めをかける有効な手立てではないかと考えられています。
さまざまな要因がバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こす…
次に、看護師さんはどんな理由でバーンアウトしてしまうのかを見ていきましょう。
まず、以下のような、置かれている環境に関わる要因が挙げられます。
・季節の変わり目
季節の変化に伴い患者さんの症状やニーズも千変万化するため、看護師さんはその都度、高い適応能力が求められ、心身的疲労が蓄積されやすい時期です。
・職場の人材不足
年度末等の時期によっては人事異動や離職で職場状況は変化し、人手不足から忙しさがピークに達することで、看護師さんはストレスを感じやすい状況になります。
・不規則な生活
日勤・準夜勤・夜勤などの不規則な勤務形態が心身への負担を増幅させます。
・気候の変化や周囲の変化
日照時間や気温の変動が身体的な疲労やメンタルに影響を及ぼすことがあります。
また、人間関係や職場の配置転換、患者さんの死がきっかけとなることもあります。
これらの環境要因は、看護師さんのバーンアウトを誘発するものと考えられています。
対して、個人的な要因によってバーンアウトが引き起こされる場合もあり得るでしょう。
・使命感が強く仕事熱心
仕事に完璧さを求めるあまり、自分でも気づかぬうちにオーバーワークになってしまいます。
・優しく、真面目な性格
不安感や恐怖感、マイナス思考が強い人、または、人との関わりにおいて緊張しやすい人はストレス耐性が低くストレスが溜まりやすいとされています。
・キャリアが浅い看護師さん
看護の理想と現実のギャップから、仕事への不全感を感じやすい立場です。
この他にも、相談できる相手が少なく相対的に孤独な生活環境にある人や、趣味がない人もバーンアウトに陥りやすいという報告が挙げられています。
バーンアウト(燃え尽き症候群)にならないためには…
看護師さんがバーンアウトの状態にならないためには、以下のような点に気を付けることが有効な対策とされています。
・コーピングスキルを身に付ける
コーピングとは、ストレスに対処するための行動で、「ストレスを感じた際にどのような行動でストレス要因を取り除けるか」を知っておくことが大切です。
おかれている環境を変えたり、周囲に話をきいてもらったり、自分自身のことを知り独自のストレス解消法を持っておく等、自らの行動でストレス要因を排除してみましょう。
できる限り1人で頑張りすぎないことが大切です。
・無理のないワークライフバランスを実現させる
無理をせず、十分な余暇時間を確保できると心身のリフレッシュに繋がります。
自身の働き方を見直してみましょう。
・趣味活動を行う
仕事以外の時間に行う趣味の活動がストレス発散につながります。
仕事のことは考えないで、休みの日には気持ちを切り替えて、ゆっくり休むようにしてみましょう。
看護師さんがバーンアウトしないための対策はいくつかありますが、もしも、ご自身がバーンアウト状態にあると感じた場合には、すぐに専門家へカウンセリングを依頼する、バーンアウト要因となったものから物理的な距離を取るなどして、心身のケアを最優先にしてください。
看護師というのは、常に人命に関わり、その責任はことのほか重く過剰な緊張や責任がのしかかる職種です。
だからこそ、自分自身のセルフケアを日頃から積極的に行うことが、仕事をする上でもバーンアウトの状態にならないためにもとても重要です。
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