医療系のドラマでよく取り上げられる救命救急センター。
命を救うために懸命に働く看護師さんを見て憧れた方も多いのではないでしょうか。
ここでは救命救急センターで働いている看護師さんの業務内容について解説します。
救命救急センターとは?
事故による外傷や心肺停止、アナフィラキシーなど急に発生した緊急性の高い疾患に対応する救急医療の体制は、患者さんの容態によって、初期、二次、三次の3段階に分かれています。
初期(一次)救急では主に入院治療の必要がなく自力あるいは家族の付き添いで来院できる比較的軽症の患者さん、二次救急は入院や手術が必要となる重症の患者さん、三次救急は二次救急では対応が難しい心筋梗塞や脳卒中などの重篤な患者さんを対象としています。救命救急センターはこの三次救急にあたり、令和4年6月現在、全国に約300カ所あります。二次救急として登録されている病院でも三次救急に匹敵するほどの設備やスタッフを備え、救急の受け入れを積極的に行っている病院が「2.5次」と言われることもあります。
救命救急センターの要件とは
救命救急センターは重篤な患者さんを受け入れるので、厚生労働省によって厳しい要件が定められています。例えば以下の通りです。
・概ね20床以上の専用病床を有すること
・専用病棟及び専用の集中治療室(ICU)を適当数有すること
・専用の診察室(救急蘇生室)、緊急検査室、放射線撮影室及び手術室等を設けること
・必要に応じて、ヘリポートやドクターカーや急性期の重篤な心臓病、脳卒中の治療に必要な専用医療機器を確保すること
・救急患者の医療や看護に精通した専任の医師や看護師を適当数有すること
救命救急センターは増設されていますが、その数は依然として不足しています。
救命救急センターの看護師さんの業務内容
救命救急センターの看護師さんは、搬送されてきた患者さんの容態に合わせて心肺蘇生や止血、点滴、酸素投与などの処置をします。
患者さんの状態を見て必要な医療機器の準備や処置を先回りして行い、医師がスムーズに診察できるようにサポートします。
また、ご家族に患者さんの容態や今後の見通しを説明するのも看護師さんの役割です。
患者さんの意識がないときは、突然の病気やケガで動揺している家族が本人の代わりに治療方針を決めなければなりません。ご家族の気持ちに寄り添って、ご家族の精神的なケアをすることも必要です。
どういう人が向いている?
幅広い疾患や症状の患者さんが搬送されてくる上に緊急度や重症度も高いことが多いため、常に冷静に素早く対応することが求められます。
また、患者さんの容態に合わせて的確な救命処置などの初期治療を行うため、幅広い知識と経験が必要になります。
救急医療の現場では一刻を争うため、医師やほかの看護師さんだけではなく、検査技師や救急隊員など多職種との協力しあうことが大切です。
チームワークを大切にしながら働くのが好きな方は救急看護に向いていると言えるでしょう。
ICUやCCU、HCUとの違いは?
ICU(集中治療室)も重篤な患者さんを受け入れますが、命の危機に瀕していて集中治療な必要な患者さんが入室する病棟で、看護配置基準が2対1と定められているところが救命救急センターとの違いです。
CCUは心筋梗塞や狭心症などの患者さんが対象の集中治療室で看護配置基準は2対1です。HCUは高度治療室のことで、ICUよりもやや重症度が低い患者さんが対象になります。
看護配置基準も4対1とICUと一般病棟の間に位置付けられています。
救命救急センターでは重篤な患者さんを対象としているため、ハードな職場になりますが、治療を行い患者さんが回復して退院されたときの達成感や、やりがいはひとしおだという声も。
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