数十年前から言われてきた看護師不足の問題ですが、医療技術の進歩に伴い超高齢化してきた現代社会においても、病院だけではなく介護施設や健診センター、市区町村の保健センター、訪問介護分野など、未だ多方面で看護師さんが不足しており、2022年度のナースセンターの求人数は176,797人と前年度より0.26%の増加となりました。
この記事では、そんな看護師求人について、職場に求める条件や施設別の求人割合、採用率など、看護師さんの求人・採用現場のいまを詳しく見ていきましょう!
今、多くの求職中の看護師さんが望んでいる働き方とは?
2022年度の求職者数は96,302人で、2021年度を除くと2007年以降もっとも多い年でした。
日本看護師協会ではこれらのデータを含め、2022年度の求職に関わる登録データを集計、分析した結果を発表しています。
その中の一つに、求職中の看護師さんが職場に求める条件として以下のような結果が出ています。
また、求職者数の年齢別の統計では「24歳以下」以外の全年代で2020年度に比べて増加しており、特に「55~59歳」が11,222人、「60歳以上」は13,870人で、2020年度と比べて1.5倍以上増加したという結果でした。
このことから、業界全体の定年年齢が引き上げられ、定年後も働く体力や意欲のあるベテラン看護師さんが増えていることがわかります。
さらに、別のデータを見てみると、就職を希望する施設として求職者数がもっとも多かったのは「診療所(無床)」であり、次いで「病院(20~199床)」「健診センター・労働衛生機関」「病院(200~499床)」「市区町村・保健センター」の順でした。夜勤のない職場に求職者が集まったこの結果は、ベテラン看護師さんの求職者数の増加が影響していることに加えて、ワークライフバランスを重視する看護師さんが増えているという側面もあるのかもしれません。
いま、病院以外の求人も多数あります!
厚生労働省が主体となって進めた看護職員確保の施策により、看護職員就業者数は増加を続け、2020年には173.4万人となりました。
それでも求人数が減ることはなく、今後も看護師さんのマンパワーはさまざまな施設で求められるでしょう。
以下は、施設別の求人について分析した結果です。
病院(20~499床)…24,078人
訪問看護ステーション…19,486人
これら上位3施設に次いで、無床の診療所、500床以上の大規模病院、特養や介護老人保健施設、有料老人ホーム、デイサービスなど、高齢化社会の影響もあり、介護分野での看護師さんの需要が高まっていることが見てとれます。(※総求人数176,797人)
また、施設別の採用率も算出されています。
健診センター・労働衛生機関…31.5%
市区町村・保健センター…29.3%
上記の結果が出ており、続いて、都道府県・保健所が26.7%、小中高の学校での養護教諭が25.1%。これらの結果を見ると、看護師さんが活躍できるフィールドの広さが伺えます。
雇用形態別の求人採用率では、もっとも高いのが「臨時雇用」65.4%となり、次いで「非常勤」9.0%、「常勤」2.5%の結果でした。
救護(イベント等)の求人採用率が1位となったことも併せて考えると、看護師業界でも期間限定求人などの多様な働き方が浸透しつつあると言えるのかもしれません。
看護師さんは自身の望むフィールドで活躍できる時代です!
多様な看護師求人が存在し、看護師さんが、広く長く活躍できる資格職だということがわかる統計結果だったのではないでしょうか。
厚生労働省は2024年度の診療報酬改定を告示し、看護職員などの賃上げについて24年度に2.5%、25年度に2.0%のベースアップを目指す方針を打ち出していることから、今後は看護師さんのさらなる処遇改善が期待できるでしょう。
また、看護職員の需要推計では、2040年に向けて訪問看護を含む介護分野での需要がさらに増大すると言われています。
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看護師さんの求人・採用市場を知ったこの機会に、ご自身の望む働き方を改めて考えてみるのもいいかもしれませんね!
2位 給与 …16.2%
3位 看護内容…14.4%
4位 通勤時間…14.1%
5位 休暇 … 9.1%