看護師は、援助の必要な方々と実際に向き合い援助活動を行う、対人援助職と呼ばれるお仕事です。
過去の職業性ストレスの職種差を調べた研究を含め複数の研究調査結果では、看護師さんを含む対人援助職は、他の職種に比べて自身でコントロールしにくい仕事が多いためにストレスが溜まりやすく、その結果、何らかの疾患を発症する危険が高いことが示されています。
また、看護師さんの離職率も近年高い水準を留めている状態で、このことからも看護職におけるストレスの高さを垣間見ることができます。
この記事では、職業柄ストレスに多くさらされる看護師さんのストレス解消法について、いろいろと探っていきたいと思います。
ご自身のケアにも是非参考にしてみてください。
仕事のストレスから体調不良や離職に繋がることも…
不規則な勤務で生活時間が整いにくい、夜勤が多く体力勝負の看護現場、生死と向き合うプレッシャーや職場の人間関係などなど…看護職はストレス要因がとても多いとされています。
厚生労働省の調査によると、看護師さんのうつ病罹患率は4人に1人という結果も出ています。
そして、ストレスからくる心身の不調で離職する看護師さんも多く、2021年度の日本看護協会の全国調査では、看護師の離職率が11.6%と過去10年で最も高い数値となりました。
この数値は決して他人ごとではなく、早期の段階で適切に自身のストレスケアをし、その先の大きなトラブルを回避することは、看護師さんが仕事を続けていく上ではとても重要だと言えるでしょう。
次の章からは、具体的なストレス解消方法を見てみましょう。
夜勤や精神的なハードワークの後には十分な休息を!
ストレスは、仕事による心身の疲れを増幅させます。
そして、心身の疲れが溜まってくると、気持ちにも体力にも余裕がなくなりイライラしたり仕事でミスをしたりなど、悪循環が生まれます。
そんな事態を避けるためにも、まずはしっかりと休息を取りましょう。
充分な睡眠は脳をリフレッシュし自律神経を整え、ストレス耐性の向上にも繋がります。
また、看護職はシフト勤務が多く、生活リズムを整えることは大変難しいですが、その分、食事などの栄養バランスにしっかり気を配ることで、身体の免疫力を保ちましょう。
そのためのベランダ菜園や料理などを趣味にしても、ちょっとした息抜きになるかもしれません。
適度な運動が心のリフレッシュと身体のリラックスに!
体力作りや体力維持も兼ねて、身体を動かすのはとても健康的な趣味でしょう。
ジムなどの施設に定期的に通うのもいいですが、その時の疲れ具合や気分ですぐに行えるウォーキングなどは、気負わず続けられる適度な運動と言えるでしょう。
最近では、YOGAやピラティスなどのオンラインレッスンも多く、リラックスできる自宅にいながら適度なワークアウトをする手段もあります。
また、シフトによる変則的な勤務時間や平日休みが多い看護師さんは、休日には混雑するお店やレジャー施設にも空いている平日に行くことで快適に過ごすことができますし、平日にお得になるランチや旅行などもリフレッシュに繋がるでしょう。
ときには本音を出せる人や場所でメンタルケアも忘れない
話を聞いてもらうことでストレス発散になることもあります。
仕事で患者さんをサポートする立場にある看護師さんは、自分自身のストレスにはなかなか気付けないものなので、話しやすい友人や行きつけの場所など、身近に相談者を持っておくことは自身のメンタルを健やかに保つのにとても役立ちます。
2015年、改正労働安全衛生法に基づき施行されたストレスチェック制度により、昨今は、自身のストレスを把握するためのチェックテストが多くの医療現場で実施されています。
このような制度も上手く活用して、自身のストレスに気づいたときには早めに対処することをおすすめします。
そして、いろいろなセルフケアを試して、自分なりのストレス解消法や心身リラックス方法を是非見つけてみてください!